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株式会社アイ・オー・データ機器様

「SKYARC Solanowa Enterprise」を活用して、1,000社以上の取引先を対象とした製品情報提供の会員制サイトを構築

パソコンやデジタル家電の周辺機器の開発、製造、販売を手がけるアイ・オー・データ機器。同社は、流通販売店などに向けて取扱製品の機能や価格、納期といった情報を提供する会員制のウェブサイトを運営していたが、2009年7月、法人向けストレージ製品の新発売に併せ新たに会員制のコミュニケーションサイトを開設した。同サイトには「Movable Type」(MT)をベースにしたパッケージシステム「SKYARC Solanowa Enterprise」が採用されている。

法人向けNAS製品を軸とした営業支援サイトを

会員制コミュニケーションサイトの概要について教えてください。

case_iodata_00.jpg宇津原 このサイトは、法人向けのカテゴリーに属するLAN接続のハードディスクである「LANDISK」というNAS製品を軸に、法人のエンドユーザーに製品を導入する代理店や販売パートナーに向けて商品の良さを伝えることを目的に開設したものです。商品の直販サイトではなく、ビジネスの現場でNAS製品をお使いになるエンドユーザーの方に商品を販売していただく方とのコミュニケーションを目的とした営業支援サイトです。

提供する情報の内容や機能はどのようなものですか?

羽田 提供している機能は主に以下の三つです。一つ目は評価機材の貸し出し窓口です。営業部門から要望の強かったもので、これまではエンドユーザーから代理店を経由し、流通販売店から当社の営業に依頼がくるという流れでした。このサイトにより、事前登録された代理店に直接営業が評価機材の貸し出しを手配することができます。

二つ目は、導入事例などの資料の閲覧です。競合他社とのスペック比較などの資料もこの会員制サイトで公開しています。三つ目は、専用のサポートダイヤルです。流通販売店経由で対応しているサポートを、会員向けの特典としてよりダイレクトに対応させていただくもので、導入現場で発生したサポート等の対応について電話とWeb双方で質問を受け付けています。

サイトオープンはいつ頃ですか?

宇津原 7月20日頃のオープンでした。9月に予定されていた新製品の発売に間に合わせようと、6月後半くらいから具体的に着手しました。

羽田 構想自体は2008年末ころにあったのですが、大きな壁となったのが既存のシステムをリニューアルする場合の工数、コストでした。既存の枠組みの中で会員へのID付与、パスワード認証などを行うためには、システム改修の工数、コストとも膨大になることが判明したのです。

必要な機能は全て「Solanowa」にパッケージされていた

「SKYARC Solanowa Enterprise」が採用された経緯について教えてください。

case_iodata_02.jpg羽田 抜本的なシステム変更にはMTを使ってシステムを構築するのがよいのではないかと考えました。そこで、シックス・アパートに紹介していただいたのがスカイアークだったのです。ベンダーとしてスカイアークを選んだポイントは、MTに精通していたという部分はもちろん、導入実績やセキュリティ面などを検討した結果です。「SKYARC Solanowa Enterprise」は、スカイアークとの打合せの中で、必要な機能の要件を提示したら、ちょうど大規模利用に適した情報共有システムがあるということで提案いただいた次第です。

開発に際しては「SKYARC Solanowa Enterprise」をカスタマイズされたのですか?

羽田 システム面では標準の「Solanowa」をほとんどそのまま使っています。ログイン機能についても機能カスタマイズというよりはテンプレートレベルでの対応でした。

開発までの期間はどれくらいでしたか?

羽田 要件定義として半月くらい要したのち、実際に開発に着手したのが6月下旬で、2~3週間でサイトオープンというスピード感でした。システム部分はスカイアークで、サイトのデザインとコンテンツは別の制作会社に協力してもらったのですが、7月に入ってからは一週間ごとに開発が進捗するような形で進行することができました。一からプラグインを開発していたらとても実現できないスピード感だったと思います。

情報更新のスピード向上、低コストでの導入などの効果

サイトに登録されている会員はどれくらいいらっしゃるのですか?

case_iodata_03.jpg宇津原 会員である代理店や販売パートナーは登録IDベースで500名くらいです。7月中旬に受付を開始して、10月末に200名くらいの目標だったものが、実際には10月末の段階で420名~430名くらいの登録をいただきました。

サイトの運用体制についてお聞かせ下さい。

羽田 従来のシステムでは、社内外の要望を受けてサイト内容を改修する場合に、まず制作会社に見積もりを取るところからスタートして検討する時間が必要でした。「Solanowa」では、テンプレートやコンテンツレベルでの修正などは大抵自分で対応できるので、即時対応が可能になります。

運用業務としてはどのようなものがありますか。

羽田 業務としては、事例や資料などのコンテンツの更新と、会員IDの発行。それから、評価機の貸し出しをきっかけに発生したお客様とのコミュニケーションの対応ですね。コンテンツの更新は、資料の作成から掲載までにラフで制作会社に指示を出して依頼する形で進めていたものが、現在は、Webにさえつながれば私がどこからでもUPできる状態です。実際、「Solanowa」を触っているのはほとんど私一人ですね。

「Solanowa」の導入効果としてはどのようなものがあるでしょう?

羽田 まず第一に、リアルタイムに情報が更新できる点です。それと、運用担当者の作業負荷低減も大きいです。このような一対多のコミュニケーションメディアの更新、改修などの運営管理を一人で担当できるというのは驚きです。もちろん開発費用のコスト面でのメリットも大きいです。「Solanowa」というパッケージに、こちらが希望していた会員管理の機能が全て搭載されていて、かつ低コストで導入できました。月々のメンテナンス費用も発生していないので、コスト面では破格の値段だったと思います。

宇津原 営業部門のセールスツールとしてこの会員制サイトを利用するという社内の理解を得ることができたため、スピード感をもって情報公開、更新ができています。また、誰がいつサイトにログインしたか、誰がどのような資料をダウンロードしたかを把握できるというのも大きなポイントです。

会員同士のコミュニケーションが自然発生する「場」に

ベンダーとしてのスカイアークの評価はいかがですか?

羽田 開発の際には、帯広本社のサポート体制も非常に手厚く安心できました。非常にスムーズに仕事をさせていただいたという感想です。コンテンツ担当の制作会社とのやり取りも非常にうまくコントロールしてくれたので、私は最終のアウトプットとして実現したいことを伝えるだけで、あとはすべて二社体制で解決してくれました。

スカイアークに対する要望や期待は?

羽田 会員サイトとしてシステムの規模が大きくなると、サーバー管理が問題となってきます。たとえば、シックス・アパート公認のレンタルサーバーというのがあって、運用やセキュリティの面倒を見てくれると安心です。クラウドやASP、SaaSなどが普及して、システム構築の際にソフトを組み合わせて買うというのは当たり前になってきました。今度はそのシステムが動くサーバーを、確実に動くものを用意してくれるとありがたいですね。

システムの機能拡張などのご予定は?

宇津原 「Solanowa」で用意されているオプションはいくつかありますが、サイトの機能改善については社内でレビューを行っているところです。

羽田 資料へのコメントなどの機能やマイページなどの構想はあります。将来的には、Eメールでのやりとりでなく、コメント機能で会員が記事を閲覧、共有できるようにしたいですね。サイトを通じて会員のシステム会社同士が協業したりコミュニケーションが自然発生するようなコミュニティになれば理想的ですね。

宇津原 販売パートナーにサービスをどうやって告知していくかが今後の課題です。何らかの悩みを持ったシステム会社などの方に対して、このサイトが何らかの解決策を提示できる「場」になって、そこから結果的に当社の製品を導入いただくというような使い方をしていただけたら嬉しいですね。

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取材対象(左から)

  • ネットワーク&ストレージ開発部 シニアリーダー 宇津原 武様
  • 広報推進部 リーダー 羽田 明生様

会社紹介

会社名 株式会社アイ・オー・データ機器様
設立 昭和51年(1976年)1月10日
従業員数 604人(連結ベース 2008年6月期)
557人(単体ベース 2008年6月期)
資本金 3,588百万円
本社 〒920-8512
石川県金沢市桜田町3-10
事業内容 PC周辺機器全般の開発、製造、販売

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