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株式会社ミクシィ様

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コーポレートサイト用プラットフォームに「MTCMS Cloud」を採用。ウェブサイトの運用負荷の軽減し、コンテンツ更新に集中できる環境を実現。

月間1,500万人以上の利用者を抱える「mixi」で知られるソーシャルネット事業等を手がける株式会社ミクシィ。同社はコーポレートサイトや開発者向けの技術情報を提供するデベロッパーセンター等のサイト運営体制の見直しに着手した。「WordPress」を用いて構築されたウェブサイトは、ウェブサイト管理システム「MTCMS」をベースに、 サーバーやセキュリティアップデートなどの運用・保守がパッケージとなったサービス「MTCMS Cloud」へ移行された。スカイアークが移行・運用・保守を担当し、2011年5月より新体制による運用がスタートした。今回は担当者である森本様、岩崎様にお話を伺った。

サイト運用・保守をワンストップで任せられる点が決め手

今回の基盤移行の対象となったシステムの概要について教えて下さい。

岩崎 もともと、当社のコーポレートサイトやデベロッパーセンター、エンジニアブログといったサイトは「WordPress」ベースで構築されていました。運用は本業である「mixi」などのサービスを担当するエンジニアが兼務で行っていました。

森本 根本的な問題として、ウェブサイトの運用、保守にどれだけのリソースが割けるのかという課題がありました。基盤となるCMSに限らず、サーバーの管理やセキュリティアップデートといった運用、保守の部分までトータルでアウトソースし、当社はコンテンツ更新に集中する仕組みが導入できないかというのが出発点です。

エンジニアを本業のサービスに集中したいというニーズがあったのですね。

岩崎 ウェブサイトは、最初は静的ページで構築されていました。規模が大きくなるにつれ、ページ更新の省力化を図りたいということで、2007年頃、社内でWordPressに知見のあるメンバーを中心にCMSを導入したという流れです。

森本 サイトの規模として、ページ数がコーポレートサイトで約500ページ、デベロッパーセンターで約700ページと、1,200ページを超える規模となり、工数的にエンジニアが兼務で運用を行うのは厳しくなってきました。SNSのユーザーの方だけでなく、アライアンスでアプリを開発する方や、新卒向けの情報など、様々な情報をオープンに発信していく必要がある中で、今までの運用体制だと規模を拡大していくのは限界があるというのが背景にありました。

基盤移行について検討を開始されたのはいつ頃からですか?

岩崎 約2年前くらいからです。単なるCMSの切り替えということではなく、運用、保守をアウトソースできる仕組みというのが要件としてありました。基盤も、CMSありきということでなく、サーバー機器の調達から設定、サーバー管理、脆弱性対応といった運用部分をワンストップでお任せできるところはないかという視点でパートナー選定を進めました。

森本 ベンダー選定は2010年5月頃より、スカイアーク含めて複数社のコンペで行いました。提案内容や金額、実績といった要素を総合的に検討していく中で、スカイアークの提案は、前述したような運用をパッケージとしてお任せできる点が決め手としてありました。もちろん、MTCMSの信頼性や、CMS専門のシステムインテグレータとしてのスカイアークの実績も決め手となりました。

更新と運用の切り分けにより「内容」に注力できるように

プロジェクトがスタートしたのはいつ頃ですか?

岩崎 2010年夏頃に要件定義がスタートしました。移行には大きく2つのフェーズがあり、第1フェーズはコーポレートサイトの移行を2010年夏頃から約1年かけて行いました。第2フェーズはデベロッパーセンターの移行で、これは2011年6月くらいから着手しました。

WordPressからの移行で、苦労された点はありますか?

森本 当社側の負荷という意味では、基盤の乗せ替え自体の作業というより、コンテンツ更新を行うユーザーが今まで慣れていたWordPressのインターフェースや使い勝手が変わることになったため、移行後の運用面で苦労しました。

岩崎 記事更新の手順も、新たに「ステージング」というフローを挟んでから本番に公開されるよう変更されました。ステージングの段階で想定していたページの振る舞いと本番公開したページが違っていたり、移行当初よりも運用対象となるサイトが増え、更新担当者も増えたりしたことから、ページ更新の現場が多少混乱したという状況がありました。

そうした状況を改善するために取り組んだことは?

岩崎 スカイアーク側で人員の拡充と運用体制の強化を対応いただきました。本来のスケジュールであれば、サイトの移行が終わって安定運用のフェーズに入っている時期ですが、現場からの改修の要望も多く、運用当初はやや混乱しました。WordPressのインターフェースに慣れている現場からの改善の要望は、今のところ私が窓口になって集約し、スカイアーク側とやり取りしています。

森本 スカイアーク側の協力もあり、プロジェクト管理ツールを導入して進捗を可視化していただきました。これにより、タスクの抜けや漏れ、コミュニケーションの行き違いなどは少なくなり、スカイアークには定例の打ち合わせだけでなく、メールや電話などフレキシブルに対応いただいています。現在は、体制がようやく整い始めている状況と認識しています。

「MTCMS」についてのご評価をお聞かせ下さい。

岩崎 まず、導入効果としては、記事更新の作業と、サイトの運用、保守の作業が完全に切り離されたので、コーポレートサイトとデベロッパーセンターについては、運用、保守の部分はリソースのアウトソースが完了したと評価しています。今までは、ファイルを1個アップロードするにも、記事更新担当者とデザインチームとの間で画像の加工など、ファイルのやり取りが必要でした。体制移行後は、更新担当者がダイレクトに記事をアップロードできるようになりました。

森本 更新する記事の「内容」に注力できるようになったと思います。例えば、今までは技術担当者は、受け取ったファイルを指示通りの位置に配置する対応しかできませんでした。本来であれば、株式会社ミクシィとしての、表現のトーンやCI的な観点、SEOなど内容を総合的に考えていく必要があるわけです。この点も、更新と運用、保守の切り分けができたことで、弊社側は内容の検討という部分によりリソースを割けるようになりつつあると思います。

では、一方で課題についてはどう認識していますか?

岩崎 MTCMSへの移行による課題には大きく3点あると思います。一つはWordPressとMovable Typeという製品の違いです。これはそもそも設計思想の違いがあるわけですから、仕方がない部分です。二つ目は、慣れ親しんだフローの変更による難しさです。WordPressの動的生成による同期即公開という作業フローから、Movable Typeの再構築と同期を経て公開されるというフローへの変更です。三つ目は、社内管理から社外管理に移行したことによる難しさです。今までは、運用を担当するエンジニアレベルで、使いやすくカスタマイズすることができました。社外管理の場合は、改修依頼の場合はコストを払って対応いただく部分です。結果的に、小回りの良さという部分でアウトソースの限界を認識しています。

森本 基盤が変わったため、作業フローはMovable Typeに合わせていく必要があると思います。一方で、Movable Typeの機能改善も行ってもらいたいという要望はあります。こちらの希望と現実にある溝をMTCMSの方で吸収していただけると嬉しいなとは思います。

効果的なタスクマネジメントの整備が今後の課題

今後の機能拡張や展望などについてお聞かせ下さい。

岩崎 コンテンツ更新の部署、担当者も増え、発行したアカウントベースで100人以上のユーザーがいますが、理想的な状況は、各担当者からの問い合わせや要望に、直接スカイアーク側で対応いただき、タスク管理してプロジェクトが進行する状態になることですね。

森本 担当者レベルでHTMLやCSSを調整したいわけではなくて、プレスリリースを公開したい、画像を好きな場所にレイアウトしたいというように、やりたいことが直感的にできるようになることが大事だと思います。最近は、発信する情報もテキストだけでなく画像や動画など、色々なファイルを扱ってどんどんリッチになっています。1回の記事更新がワンストップで作業できるようにしたいです。

スカイアークへのコメントや期待することをお聞かせ下さい。

岩崎 共に課題に向き合おうという姿勢が感じられます。わがままな要望も多いと思いますが、一旦、持ち帰って検討してもらえるので、協力的な対応をしていただいていると感じます。

森本 タスクマネジメントの整備が課題です。前述したように、岩崎を経由せずに直接要望をやり取りできるような体制の整備が望まれます。運用、保守の部分のアウトソースにご協力いただいた部分を踏まえて、スカイアークのノウハウを活かしながらうまく課題を解決していってもらいたいですね。デザイン面でもメンバーが補強されたので今後に期待したいですし、我々も努力していきたいです。

目的と効果

目的
  • サイトの運用・保守のアウトソース
効果
  • サイト運用負荷の削減により、コンテンツ更新に集中できる環境の実現
  • 各担当でのウェブサイト更新が可能に
ソリューション
  • WordPressからMTCMS Cloudへのデータ移行作業
  • CMS運用・サーバー運用・保守のアウトソース
導入アプリケーション
  • MTCMS Cloud
    『Movable Type』をベースにCMS機能を強化したソフトウェア『MTCMS』をSaaS型で提供するサービス。お客様はサーバー運用・保守を意識することなく、サイト運用に集中できるメリットがある。

会社紹介

会社名 株式会社ミクシィ様
設立 1999年6月
従業員数 482名(連結・正社員のみ)
資本金 3,765百万円(2011年9月30日現在)
本社 東京都渋谷区東1-2-20 住友不動産渋谷ファーストタワー7F
事業内容 ソーシャルネット事業、Find Job !事業

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