Perlの勧め(2) Class::DBIを使おう
こんにちわ onagataniことナガタニです。
Perlの勧め1は読んでもらえましたでしょうか。
弊社ディレクター陣からは意味分からんといわれてしまい、
ちと初心者向けではなかったのかなぁと思っております。
今回の2回目ではPerlのORマッパーの代表格であるClass::DBIを紹介します。
説明に入る前にPerlのORマッパーの個人的な感想を。。。
- Class::DBI 歴史も古く枯れている
- DBIx::Class 最も人気のあるORマッパー 非常に高機能
- Data::ObjectDriver MTから切り離されてCPANに登録されたORマッパー。標準でキャッシュやパーティショニングが可能。
- DBIx:MoCo とても簡単にキャッシュが可能。rubyちっくな配列処理
それぞれ特徴がありますが、お気楽に使うならClass::DBIが枯れていて情報も沢山あるため個人的にはお勧めです。
その代わり古いモジュールなのでMoCoのように簡単にキャッシュはできないです。
基本的にどのデータベースエンジンでも問題ないはずですが今回はMySQLを使用します。
基本設定
まずデータベースに接続するためのベースクラスを作成します。
今回はClass::DBIをよりMySQL上で簡単に扱えるClass::DBI::mysqlを使用します。
package MyData::Base; use strict; use base qw(Class::DBI::mysql); __PACKAGE__->set_db('Main', "dbi:mysql:$DBNAME", $DBUSER, $DBPASS); 1; __END__
次に実際にテーブルを操作するためにテーブル毎にクラスを作成します。
今回はブログテーブルとエントリーテーブルを例に作成します。
・Blogテーブルのクラス
package MyData::Blog; use strict; use base qw/MyData::Base/;__PACKAGE__->table('blog'); __PACKAGE__->create_table(q{ `id` int(10) unsigned NOT NULL auto_increment, `title` varchar(255) NOT NULL, `description` varchar(255) NOT NULL, `created_at` datetime NOT NULL, `updated_at` datetime NOT NULL, PRIMARY KEY (`id`) }); __PACKAGE__>set_up_table; 1; __END__
・Entryテーブルのクラス
package MyData::Entry; use strict; use base qw/MyData::Base/; __PACKAGE__->table('entry'); __PACKAGE__->create_table(q{ `id` int(10) unsigned NOT NULL auto_increment, `blog_id` int(10) unsigned NOT NULL, `title` varchar(255) NOT NULL, `text` text NOT NULL, `created_at` datetime NOT NULL, `updated_at` datetime NOT NULL, PRIMARY KEY (`id`), KEY `flag` (`blog_id`) }); __PACKAGE__->set_up_table; 1; __END__.
上記クラスでは、テーブルが存在しない場合create_tableでテーブルを作成します。
仕様例
スクリプト内で各テーブルのクラスをuseしておきます。
use MyData::Blog;
use MyData::Entry;
例1)プライマリキーで検索する
my $blog = MyData::Blog->retrieve('1');
$blog->title; #プライマリキー1のtitle
例2) 全件取得する
my $blogs = MyData::Blog->retrieve_all;
$で受け取るとイテレータ
@で受け取るとレコードが配列になって受け取れます。
イテレータの場合は、
while (my $blog = $blogs->next) {
say $blog->title;
}
このように使用します。
例2) 複数条件で検索する
my @entrys = MyData::Entry->search(blog_id => '1', title => 'hoge');
*イテレータでも受け取れます
例3) like検索
my @entrys = MyData::Entry->search_like(title => 'hoge%');
*イテレータでも受け取れます
例4)データベースとメモリから削除
my $blog = MyData::Blog->retrieve('1');
$blog->delete;
例5)データベースとメモリに格納
my $entry = MyData::Entry->create({
blog_id => '1',
title => 'hoge',
text => 'fuga',
});
例6)更新する
my $blog = MyData::Blog->retrieve('1');
$blog->title('fuga');
$blog->update;
リレーションの設定
上記のテーブルのように2つのテーブルで外部キーによるリレーションを行う場合には
下記の設定でblog_idを引いた時に、MyData::Blogのオブジェクトに(インフレート)する事ができます。
package MyData::Entryに以下を追加します。
__PACKAGE__->has_a(blog_id => 'MyData::Blog');
例1)外部キーによるインフレート
my $entry = MyData::Entry->retrieve(1);
my $blog = $entry->blog_id; #blog_idからblogオブジェクトを取得
say $blog->title; #blogのtitleを表示
インフレート
has_aを使用するとリレーションと同じようにカラムを別のオブジェクトに(インフレート)する事ができます。
例1)created_atをDateTimeオブジェクトにインフレートする
package MyData::Entry MyData::Blogに以下を追加します。
use DateTime::Format::MySQL;
__PACKAGE__->has_a(created_at => 'DateTime',
inflate => sub {
return DateTime::Format::MySQL->parse_datetime( shift );
},
);
トリガ
各フックポイントにコードレフを与えて処理を追加します。
例1)create_atやupdated_atを自動で入力(更新)させます。
package MyData::Blog に以下を追加します。
use DateTime; __PACKAGE__->add_trigger( before_create => sub { my $self = shift; my $now = DateTime->now( time_zone => "local")->strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S'); $self->_attribute_set(created_at => $now); $self->_attribute_set(updated_at => $now); }, ); __PACKAGE__->add_trigger( before_update => sub { my $self = shift; my $now = DateTime->now( time_zone => "local")->strftime('%Y-%m-%d %H:%M:%S'); $self->updated_at($now); }, );
以上
ざっくり書きました。
ここに書いた以外にも沢山の便利メソッドがあるので調べてみてください。
日本語の情報もおおいです。
おかしな書き方ありましたら、ご意見お願いします。
<追記>
とある方からご意見頂きました。
Class::DBIにもデメリットがあるので、そのあたりは調べてから使用した方がよいかもしれません(最新のORマッパーの方が高機能ですしね)。